はじめに
農業スタイルの変革
ここ数年の目覚ましいIoT、クラウドの普及は、日本の伝統的な農業スタイルにまで変革をもたらしていおり、ロボット技術やICT、AIなどを応用したスマート農業の実現に向けて取り組みが行われ、注目を集めています。
スマートアグリ(IT(ICT)等の先進技術を活用して生産管理や品質・生産効率などの向上を実現する取り組み)の実現により、農業機械の自動制御による超省力化や大規模生産、センシング技術や過去のデータを駆使した多収・高品質生産、ロボット技術の援用による重労働の緩和、ノウハウのデータ化や生産情報の提供(トレーサビリティ)による消費者等への情報提供のメリットが期待されています。
新たな経営戦略
農業生産物の工業化を通じて、安定した品質と信頼性の高い農産物の生産を目指し起業して10年余り。
生産に関する形式知化をコンピュータシステム管理し、より効率的・工業的な生産方式による新しい事業形態の構築と、現状の生産物の差別化を図り、新たなマーケティング戦略をベースにした生産管理システムなどの販売なども積極的に進めてまいります。
水耕栽培 関連事業
低カリウム野菜 カリウム施肥量を制限する
可食部の生育を維持しつつ、収穫時のカリウム含有量を低下させることが可能です。
通常定植の過程で、窒素N・リン酸P・カリウムKのPH(溶液濃度)を栽培する品種と出荷形態により変更します。栽培物と抑制比率、及びタイミングは自社ノウハウとなります。(水耕液組成を生育段階に応じて独自に管理)
結果、生育は既存の栽培方法との差がなく(小ぶりな野菜では、いくらカリウムが減ったとしても商品価値がない)、カリウム含有量を既存の栽培方法の物より減らすことが出来ます。
農産物の機能性を変化させる手法として、交雑育種や遺伝子組み換え技術が挙げられますが、いずれも機能性を変化させるまでには時間が掛かり、また遺伝子組み換え作物は、安全性に対する不安から消費者に受け入れられていません。また莫大なコストもかかってしいます。
本事業では栽培方法を変えるだけで、既存の農産物の機能性を変化させることが可能になりました。
生産管理システムと横展開
低カリウム野菜生産方法のシステム化をするにあたっては、これまで事業に携わってきた作業員の頭の中にある知識や実務から得た経験則(暗黙知)を、データに置き換える事が必要です。
こうした作業員の暗黙知と共に、植物を栽培するために必要な照明や水耕栽培設備、温度・湿度管理などを組み合わた実栽培の環境データや作業記録を収集し、データベース化した後、実栽培の営農指導を付加価値(15年の生産、販売実績)として、また、低カリウム野菜などの医療食だけでなく美容関連も視野に入れた ”医美食同源” を現実化できるプロジェクトとして展開をしてまいります。